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西野の秘策!長谷部が明かすオフサイドトラップ

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完全に意表を突いた。日本代表が2度のリードを許しながら2―2で引き分けたセネガル戦。1―1の前半45分に自陣深く右サイドで与えた直接FKのピンチで、青いユニホームが仕掛けた。

 キックの瞬間に最終ラインを形成していた吉田、昌子、酒井宏、長谷部、柴崎、乾、大迫、原口の8選手が一斉に縦方向に移動。一瞬にしてセネガルの5選手をゴール前に置き去りにした。鮮やかなオフサイドトラップ。滅多にお目にかかれない光景だった。
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 一夜明けた25日、ベースキャンプ地カザンで行なわれた練習後の取材エリア。長谷部主将が一連のプレーの真相を明かした。

「あれは、ここ(ベースキャンプ地カザン)に入って最初からやろうという話をしていた。初戦(19日コロンビア戦)もやろうとしたが、中(ピッチ内)でやろうという選手と、やめたほうが良いという選手がいたので、止めた。でも監督はその時もやってほしかったらしく『2試合目は絶対に(オフサイドトラップを)かけろ』と言っていました」

 香川と長友はラインを上げた8選手と入れ替わるように自陣ゴール方向へダッシュし、万一の失敗に備えたカバーに入っている。連日の非公開練習で入念に確認していた巧妙な”罠”だった
 単にオフサイドを取ろうとしたわけではない。長谷部が続ける。

「一番最初(のFK)にやると決めていた。あれは相手との駆け引きの意味合いが強い。あの1本が成功したことによって、相手は”また何かやってくるんじゃないか”となる。その部分ですね。監督は策士なので」

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 相手のFIFAランクは日本の61位を上回る27位。格上との一戦で心理的に優位に立つ狙いがあった。

 痛快なプレーに対する注目度は高かった。日本のネット上では大きな話題を集め、ツイッターのトレンドワードで上位にランクイン。アメリカの『ニューヨーク・タイムズ』紙から「日本は5人のセネガル攻撃陣を残して、美しいオフサイドトラップを仕掛けた」と絶賛されるなど海外メディアからも高い評価を受けた。

 オフサイドトラップには指揮官のこだわりがあった。西野監督は16年3月に死去したヨハン・クライフ氏の信奉者。現役時代から大ファンで、監督としても尊敬していた。クライフ氏の代名詞でもある70年台のオランダ代表の戦術「トータルフットボール」では最終ラインから前線までの距離を短くするためにオフサイドトラップを多用する。憧れを抱いていたチームの戦術を、ワールドカップで駆使したのは偶然ではない。

 日本代表は下馬評を覆して、グループリーグ2試合を終えて勝点4。第3戦でポーランドに引き分け以上で文句なし、負けても同時刻に行なわれるコロンビア対セネガルの結果次第で2大会ぶり3度目の決勝トーナメント進出が決まる。西野監督は「トップ通過できる状況にある」と、引き分け狙いではなく勝利を目指す攻めの采配を貫く方針だ。ポーランド戦でも”西野マジック”が炸裂するか。J1歴代最多270勝を誇る指揮官の采配からも目が離せない。